寿司職人の年収・給料は?海外での需要は?
チェーン店から高級店まであるなかで、寿司職人の年収や給料はいったいどのくらいが相場なのでしょうか?最近は日本国内だけでなく、海外にも活躍の場が広がっている寿司職人の給料を紹介します。
寿司職人の年収・給料
寿司職人の年収は、日本商工会議所が平成15年度に行った人材ニーズ調査によると、「300万円未満」が44.75%、「300~500万円未満」が49.16%とおよそ半数ずつで、年収500万円未満の人が9割以上を占めています。全職種平均では、「300万円未満」は39.73%、「300~500万円未満」が37.89%となっているため、他の職種に比べて、年収500万円未満の層が多めです。
一方で、500~700万円未満の人の割合は、全職種平均では7.21%いるのに対して、寿司職人では1.82%となっています。統計データ上は、寿司職人は年収「700万円以上1,000万円未満」と「1,000万円以上」は0%となっていることから、寿司職人で700万円以上稼ぐのは難しいと考えられるでしょう。
寿司職人の月給を、2017年9月時点の人材サイトなどのデータをもとにみていくと、30~40万円程度が一般的で、40万円以上を目指せるのは料理長クラスになります。
見習いの給料目安
寿司職人の見習いの給料の目安は、2017年9月時点の人材サイトなどのデータをもとにすると、地方は18万円前後、東京は20~25万円程度と見て取れます。寿司職人は見習いの時代から比較的安定した給与が得られ、一人前の寿司職人との給与の差は10~15万円くらいです。
独立したら年収はどのくらいになる?
寿司職人が大きく収入をアップさせる方法として考えられるのが、独立開業です。しっかりと修業を積んで、魚の目利きやネタのさばき方、シャリの作り方や握り方などの技術を身に付ければ、人気店になるのも夢ではありません。
「SUSHI職人」は海外でのニーズも増えている人気職業
寿司職人として活躍できるフィールドは日本だけではなく、海外で「SUSHI職人」として働く道もあります。2017年9月時点の人材サイトなどのデータをもとにすると、海外でも和食は人気で寿司職人の求人があり、中でも日本の寿司職人は寿司の技術はもとより、食品衛生の知識があることから引っ張りだこということがうかがい知れます。
また、日本で一人前の寿司職人として働くには経験が問われますが、海外では寿司職人の養成校を出たばかりの人でも、見習いではなく一人前の職人としての仕事を得られるチャンスがあるため、海外で働くことを前提に寿司職人を目指している人もいるほどです。
海外での給料は?
給料は働く国や、見習い扱いかどうかによって変わります。チップの習慣がある国では給料月10万円+チップ代や、時給400円程度+チップ代というような、自分の能力次第で給料が増える可能性のある求人や、見習い扱いであっても日本円で20万円程度を支給してくれる店もあるようです。
ただし、海外では日本と同じ食材が手に入らなかったり、生魚を口にしたことがないなどの理由で普通の寿司を食べられない人やベジタリアンの人がいたり、メニューや味付けが日本とは大きく異なる点もあるので、働く国の好みなどを調べるなど努力も必要です。
海外で働くために必要なこと
日本語だけで働ける店も一部ありますが、それでも海外で就職するには、最低限、日常会話レベルの語学能力が求められます。日本で語学学校やWeb講座などを利用して語学力を身に付けておくことが望ましいですが、それでも海外に行くと実際には言葉が通じにくいケースは少なくありません。
お客様や従業員のほかにも、納入業者と発注内容の確認をしたり、電話で話したりするシーンもありますので、必要に応じて現地で語学学校に通うことも念頭に置いておきましょう。
海外で働くには就労ビザが必要ですが、ビザの発給条件は国によって異なります。
就労ビザは、就職先が雇用を保証するスポンサーになることで申請できる国が一般的ですので、就職先を見つけてから申請を行います。例えば、観光で海外に行って就職先を見つけたあとに、一旦帰国し、就労ビザを申請するのも1つの方法です。ただし、ビザが発給されるまでの期間は、数日~数カ月程度と差がありますし、必ずしも下りるとも限りません。
海外での就職には、渡航費用や現地の住居を借りる費用、最初の給料が出るまでの生活費が必要です。現地で語学学校に通う可能性も踏まえて、余裕のある資金計画を立てておきましょう。
寿司職人になるには?
寿司職人になるには、寿司屋で見習いとして修業する方法が一般的ですが、近年、寿司職人の養成学校に通う方法も注目されています。 詳しくは、「寿司職人になるには?」で解説しています。
寿司職人の将来性
2012年、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。世界的に、寿司をはじめとする和食の価値が評価されたと言えるでしょう。
さらに、日本が海外から注目を集めるようになり、大都市はもちろん、地方都市にも多くの外国人観光客が訪れるようになってきています。来日前に日本に期待していることとして「日本食をたべること」が76.2%を占める(観光庁2014年消費動向調査結果より)結果がでており、代表的な日本食「すし」の注目度もますます上がるでしょう。
日本の寿司職人にも、伝統を踏まえつつ、外国の食文化や食習慣にも対応できる知識などが求められるようになります。
さいごに
寿司職人の給与は、一人前と見習いとで10~15万程度の差があります。日々技を磨き、一人前を目指しましょう。
また、寿司職人は、国内外で人気のある職業です。独立開業をして人気店にまで上り詰めたり、海外で働いたりすることも選択肢となります。今後、海外での寿司の人気が高まることで、ますます、寿司職人は必要とされるようになっていくことでしょう。
出典:ぐるなびJOB