SUSHI TIMES

<対談>クリエイターは鮨店経営者の悩みを引き出せるか?築地玉寿司4代目社長×博報堂 クリエイター

クリエイターは経営者の課題を引き出せるか。これを検証するために、実際に実験をしてみた。築地玉寿司の社長に、博報堂の気鋭のクリエイターが挑む。初対面のふたりは何を語るか。対談は夏の終わりに博報堂の会議室で行われた。中野里社長が来ていたジャケットを脱ぎ、少しだけリラックスした雰囲気になった。

クリエイター、メニューへの違和感を語る

小杉:初めまして。ちょっと緊張しております。

中野里:いえいえ、僕の方が緊張しちゃいます。今日はよろしくお願いします。

小杉:こちらこそよろしくお願いします。通常の仕事では、クライアントさんから「こういうことをやりたいんだけど」というお題があるのが普通なのですが、今日はそこから見つけて行こうということですので、ざっくばらんにお話を聞かせて頂ければと思います。中野里社長は4代目ということで、お父様の3代目の時から玉寿司さんは大きくなったそうですね。

中野里:そうですね。僕が引き継ぐ前から多店舗展開はしていました。昭和46年に、3代目が銀座に出したお店が若者にすごく人気になったんです。日本で初めて手巻き寿司をやったりしたんですけど、ちょうど日本の経済成長時代で、色々な駅ビルの担当者から「ぜひ出店してください」ということで次々に声がかかりました。それが、玉寿司がお店を広げて行くきっかけでしたね。手巻き寿司も玉寿司さん発祥だったんですね。実は昨日、晴海通り店に行かせて頂きました。そして、こっそり写真を撮らせてもらったのですけど…

小杉:私はデザイナーなので、ついついロゴやメニュー、店内のデザインなどがすごく気になってしまうんです。お店の入口にはロゴマークが目にバーンと飛び込んできて、店内のデザインもゴージャス系というよりは和の世界観を作られていると感じました。で、席についてメニューを見たり、注文したんですけど、メニューがなんだかチェーン店っぽいな…と、一人の消費者として感じました。

中野里:そうですか。小杉さんに見て頂いたメニューは定番のグランドメニューというのですが、全27店舗で展開しています。やっぱりのれんに対する信頼は大事なので、お店ごとに味やメニューが違うのは良くないなということで作っています。加えて、それぞれのお店のこだわりは手書きのメニューがあります。グランドメニューを作るとチェーン店っぽくなるんですよ。でも、このクオリティを上げて行くと、社員達がこのレベルに追いついて行かなきゃいけない。それを狙っているんです。

小杉:なるほど、色々悩んだ結果、今このメニューなんですね。

経営者、チェーン店の悩みを語る

中野里:とはいえ、チェーン店っぽくしたいわけではありません。玉寿司が目指しているのは、日常使いができるけど本物の寿司職人がいる、おもてなしに満ちあふれた店。言うのは簡単なんだけど、実現するのは結構大変なんですね。清掃も徹底しますし、笑顔や挨拶もあたりまえ。感じの良い言葉遣いに、目配り気配り。これをずーっと徹底して貫くことは、なかなかできないんです。なので、うちの会社では経営理念をラミネート加工したものを全員に配っていて、大事にしたい想いを誰もが分かりやすい言葉にしています。玉寿司には調理者が約150人、アルバイトも含めれば約500人はいますが、皆を気持ちの上でまとめているものはやはり経営理念です。

玉寿司の企業理念(玉寿司のWEBサイトより)

小杉:基本が大事だということですね。

中野里:毎日意識はしているんですが、対応力は当然ばらつきが出てくる。うちのような労働集約型の仕事では、全員が期待する能力を持っていて、笑顔があり、ホスピタリティがあったら、経営者は苦労もしない訳です。でも実際はそうではないので、いっぱい悩みがあります。なので、社員やスタッフが困った時、「どっちの方向を向けば良いの」というものが企業理念であり、これを言い続けることだな、と。

小杉:たしかにそうですね。ちょっと見当はずれかもしれないんですけど、タクシードライバーにとって、最初のコミュニケーションが大事だという話を聞いたことがあります。たとえば、「天気悪いですね」っていう投げかけに対してお客さんがどう答えるかで、「あ、この人は話したくないんだな」とか、「お、この人はイケるな」って判断するらしいんです。こんなレベルの高い人から、「新人なんで、道分からないんです」みたいな人までいますよね。その時にふと考えたのが、すごいドライバーだったら初乗り1200円、新人だったら半額、みたいな料金設定はできないのかなってことです。お客さんもあらかじめドライバーのレベルを知っていれば、心配事が一つ減るというか、心に余裕ができると思うんですね。もしかしたら寿司職人も、全員が同じ職人に見えるよりも、違いをつけるのもあるかもしれません。

クリエイター、職人にフォーカスした店づくりを提案する

中野里:それは、僕も考えています。まだ形に出来ているわけではないんですが、横綱がいて、大関・関脇・小結と、職人のレベルを分けたりとかは考えたことがあります。

小杉:お店には家族連れも多いと思うので、子どもに向けたエンターテイメントとして「横綱握り」とかあったら面白いですよ。

中野里:確かに、各店には横綱級の板前が一人はいて、彼らが作る刺盛りはすごいぞと、テーブルにドンと1台置くとお客さんが「ワーッ」と感動するものは出していますね。あとは、横綱レベルでなくても手先の器用な板前が結構いて、ちっちゃいお寿司を作って子どもに出すとすごく喜ばれるんですね。それはもう、臨機応変にやってはいます。

小杉:それは喜ばれそうですね。いまふと思ったのですが、魚介のネタが記事だとしたら、お店作りって編集の場じゃないかなって思うんですよね。玉寿司の職人らしい編集の仕方がお客さんからも分かると、他の店との差別化ができると思うんです。その時に、寿司に関わっている人が当たり前だと思っていることが、消費者にとっては魅力的に聞こえることもあるかもしれません。昔、工場の写真集作りに携わったことがあるんです。オイルまみれの手とか、ボルト1個のアップがすごくカッコ良かったりするんですけど、工場の人は「なんでそんなのがいいの?」と。例えばですが、職人が寿司を握る手つきが、一本握りとか、日本指とか、ちょっとした技の名前があったりして。

中野里:仏壇返しとかね。

小杉:そんなのがあるんですか。

中野里:あるんです。

小杉:そういうものを店内に飾ってあるだけでも、「職人さんってこんなに技がいっぱいあるんだ」「あっ、今の仏壇返しじゃない?」という接点にもつながるのかな、と思ったんです。

中野里:なるほどね。そこまで職人に思いっきりフォーカスしたお店作りっていうのは…(沈黙3秒)そういう方向では掘り下げてなかったな。まぁ、うちの板前らしい店を作るというのは心がけては来たんですけど(沈黙2秒)うーん。

小杉:職人の技を見せるというよりは、職人が何にこだわっているかを切り出して行くというイメージです。僕、すごい野球が好きなんですけど、もちろん選手を見るというのもありますが、野球のルールとか、その人が使っているバットってどこのかなとか、そういうところも面白くなってくるじゃないですか。そういう職人さんへの興味の入り口を広げる施策もあるのかなと思ったんです。

中野里:そうですね、例えば包丁にどんな種類があるのか、どうやって研いでいるのかとか、色々あるとは思うのですが、どうなんだろう(沈黙2秒)それが多くの客様にとって魅力に映るかっていうと…。実は、うちのホームページに「玉寿司のこだわり」というコーナーがあります。それがものすごい貧弱なんです。これが悩みの一つで、社内では早く何とかしようよと言っているんですが、結局は経営者が率先して作って行かないとだめなんですよね。

クリエイター、「職人エンターテインメント」を提案する

小杉:ホームページの「玉寿司のこだわり」を見ると、素材、技術、接客と書いてありますね。

中野里:たしかにどれもこだわっているけど、でもそれって寿司屋として当たり前だよねということしか書いてなくて。じゃあ改めてこだわりとか価値とは何かを掘り下げて考えてみると、何かなとモヤモヤしていますね。

 接客だって、あるお店にはお客様の湯のみの角度を見るだけで「あがり差し替えましょうか」と言える、アンテナが100本ぐらい出ている板前がいるんですね。でも、全員が出来る訳ではないので、ホームページには載せられないんです。

小杉:なるほど。全然業界は違うのですが、ユニクロは企業理念として「超合理的」という言葉がまずあって、すべてのお店の店員一人一人がそれをめざしてやっていると聞いたことがあります。玉寿司さんも「私たちは海の幸のおいしさに真剣です」という経営理念とは別に、誰もがこの言葉で働いて行けるようなものを、例えばですが「職人エンターテインメントを目指す」という言葉を掲げるのはどうかな、と思いました。そうすると、職人も、料理も、接客もすべてお客さんのエンターテインメントのためにある、と皆が思えるんじゃないですかね。

中野里:「職人エンターテイメント」という言葉がいいかは分からないけど、確かに昔から「男芸者」だと言われているんです、板前は。だから話をしながら気持ちよく食べてもらって、技も見せて、ということをやってきてはいるのですが…。

 ただねぇ、職人を中心に据えてというのは…(2秒沈黙)僕らも現実的な商売をする上で合理性は無視できないんですね。というか、なぜここまで回転寿司が席巻したかというと簡単で便利だから。いわゆるうるさい親父がいて、不明瞭会計な寿司屋がどんどん衰退するのも、わかりやすい寿司屋に行きたいというお客様のニーズがあったからですよね。だから回転寿司の分かりやすさとかシンプルさには謙虚に学ばないと行けないなと思うんです。

 うちも、リーマンショック前には今のような手頃な一品メニューはなかったんです。カワハギ1台1万円、のようなメニューがどんどん出ていたので、安いメニューは作らなかった。リーマンショック以降、お客さんは2割も減って、高いメニューも出なくなったんです。減った2割のお客さんはどこにいったのかと街を歩いてみると、みんなトロ箱系の海鮮居酒屋に行って、マグロのぶつ切り800円をつまみながら「気軽に楽しめていいよね」と言っていたんです。

 それを見て僕は反省しました。魚は嫌われていなんだ、と。海の幸はまだ人気があるのに、カワハギ1台1万円みたいなことをやっていた我々が世の中の流れに気がついてなかったんだなと思って、メニューを変えたんです。

小杉:どのように変えたんですか?

中野里:若い人達でも気軽に楽しめる、手ごろな一品料理を増やしました。特に女性は「今日は気軽にワインバルに行こう」と思っている人、多いですよね。赤提灯ではげ親父に囲まれて飲むよりも、若くてイケメンのソムリエがやっているところで、女子会でワイワイ楽しむ方がいい。そういうライフスタイルの中で、自分をブランディングしていると思うんですよね。

 だから、寿司屋に行っている自分はカッコ良いのか、カッコ悪いのかをひも解くって大事だと思っていて。日常使いが出来て、でも職人がちゃんといる寿司屋で、OLが行きたくなる店ってなんだろう、と考えているんです。

 例えば、美容室には自分のことがよくわかっている美容師がいるから行くじゃないですか。同じように、自分のことを良く分かっているコンシェルジュがいる寿司屋というのをやってみたいんです。これが差別化になるか、逆に小杉さんに聞いてみたいんです。

経営者、「コンシェルジェ」を逆提案する

小杉:なるほど、面白そうですね。

中野里:例えば、外国から来る5人のお客様に「お寿司が食べたい」と言われたとします。でも、その中の1人が生ものがダメだったりすると、どこの寿司屋に相談すれば良いか困るんです。高い寿司屋の親父に「生魚が食べれない人がいるんですけど」って言ったら怒られそうだしね。

 そんな時、うちの場合だったら、各店に1人は旅館の女将のようなベテランの女性スタッフがいて、コンシェルジュのように対応してくれるんです。子どもがいたら奥の方の騒いでも大丈夫な席を用意してくれたりします。そういう体験をしたお客様はものすごくリピート率が高いんです。

小杉:そういうことは、WEBサイトやお店で知らせているんですか?

中野里:まだ個別対応でコツコツやっているだけです。玉寿司らしい差別化といえばこういうことなのかなと思ったりもしてるんです。だから、先ほど言われたように言葉にするとしたら、「あなただけのコンシェルジュになります」という方向を示したら良いと思いますか?

小杉:それはいいですね、一人ひとりがプロの寿司コンシェルジュになるんだという方向性は社員の方にとっても分かりやすい目標だと感じました。

 そもそも、コンシェルジュとお寿司って普通はくっつかない言葉ですよね。僕が大学生のバイトだったとしたら、先ほど見せて頂いた経営理念の心構えよりも、「お寿司屋さんのコンシェルジュになってください」と言われた方が目標が明確になって気持ちが変わるなぁーと思いました。

中野里:まぁ、本当にそこが、今後うちが目指さなきゃ行けない大きな戦略なのかもしれませんね。そこの勘所さえ共有できれば、「玉寿司はかゆい所に手が届くなぁ」と言われて、驚異的にリピートが増えると思っているんです。

小杉:先ほどの話しで言えば、コンシェルジュこそ編集マンですよね。グランドメニューはあるけれど、お客様に応じて変えて行くわけですから。

中野里:そう。コースのメニュー作りはまさに編集なんですよ。意外と有名なお店でも上手に編集が出来てない店は多いですね。ある有名店に行った時、私達はお酒をのみながら少しつまみたいだけなのに、料理人が自分の技を見せたくて、主役級が次々と出てきた経験もあります。そんな店には「もう一度行きたい」とはならないですよね。

小杉:なるほどー。お客さんとの温度感がずれているわけですね。

中野里:もっと言えば、店舗というか、どういうシチュエーションで食べるかを考えるのも編集ですよね。外国の方が寿司の握りを体験したいと言われれば「マイカウンター」のようなものを作ったり、ウェディングをやったことも、勉強会の後にお寿司という会をプロデュースしたこともありました。極力「ノー」とは言わずに、面白いものはなるべく工夫して実現してます。

小杉:面白いコンテンツがたくさんあるんですね。

中野里:他の寿司屋には負けないことをやっているという思いはあるんです。(沈黙8秒)「あなたのコンシェルジュ」っていうのは、高齢化社会の中で年配の方にはすごく求められますね。「○○さん、元気でしたか? しばらく電話が無かったから、どうされたかと思っていましたよ」といった話し方は、うちのスタッフは本当に上手いんですよ。

クリエイター、2つのロゴについて問い質す

小杉:その話、先ほどの「自分ブランディング」の話と近いですね。「玉寿司には私のコンシェルジュが1人いる」と思ってもらうことも、価値の一つになりそうですね。

 話しは変わりますが、一つだけ確認してもいいですか? 

 これ、晴海通り店で見たのですけど、店内に2つのロゴがあったんですけど、この顔マークの方を全面に押し出しているんですか。それとも、そこまでこだわっていないんですか。

中野里:いやぁー、実はこれが悩んでいるんです。この顔マーク、「つきじたまずし」ってひらがなで書いてあるんです。先代の父の若い頃の顔をモチーフに「へのへのもへじ」のように作ったんです。もう一方の家紋のようなマークは、実は「す」が4つあるので寿司マークなんですね。

小杉:なるほど。では、どちらがメインかというのが決まっていない状態なんですね。

中野里:そうなんです。どちらも由来を話すと「なるほど」と面白がってもらえるので、どちらも捨てきれていないんです。顔文字は面白いけど、ちょっとアニメっぽくてカッコ良くないんです。かといって、家紋のようなものだけだと本格感は出るけど、遊び心が無い気がしています。

 トヨタも日産もアップルもロゴは一つですよね。私もロゴは2つある必要は無いと思っていて、(沈黙2秒)正直迷ってます。

小杉:あのー、この顔文字のマークをパッと見た時に、お面にしたら可愛いなと思ったんですけど…。

中野里:あーーーー。お面かー。それは良いですね。

経営者、2つのロゴの使い分けからイメージを広げる

小杉:そういう、愛着を感じる方向に持って方が良い気がしますね。僕はキリンさんの業務を担当しているんですけど、キリンさんはKIRINというロゴマークと、聖獣と呼ばれる麒麟マークの2つを持っているんですね。まさに同じような悩みを持っていたと思うのですが、麒麟マークはお客様とのコミュニケーションツールとしてのキャラクターという位置づけにして、KIRINの方には企業理念を込めて使っていると思います。

 ですので、並列で考えるとわけが分からなくなってしまうので、顔文字マークは愛着を育てるものとして、家紋マークは企業の姿勢を示すものとして使い分ければ、どちらも捨てる必要はないのかなと思います。顔文字マークはパッとみた印象も好きだったので。

中野里:あーーー、良かった。顔文字マークはマンガっぽくて全然クールじゃないから、扱い方がよくわからなかったんですよ。使うのを辞めようかと思ったこともあったのですが、社員も皆好きなんですよね。でも、キャラクターとして使うという方法は考えたことが無かったな。

小杉:業界は違いますが、野球の球団もロゴマークの他にキャラクターがいますよね。ジャイアンツファンだとしたらジャビット君はお客様との絆を作る役割ですよね。

 それに、この顔文字マークは嫌いになる人はなかなかいないと思いますよ。これに体をつけて、名前もつけたりしたら…。

中野里:寿司屋の玉ちゃん、かな。

小杉:いいですね! 今ふと思ったのですが、この玉ちゃんの横に、「私たちはお寿司のコンシェルジュです」という宣言があると、ものすごく優しいブランドに見えるというか、玉寿司の人格がするなぁーと思いました。堅い寿司屋は世の中にたくさんありますが、優しい寿司屋になれるには玉寿司らしいなぁと感じましたね。

中野里:そういう感じを、野暮ったくなく表現したいなぁー。洗練されたお店なんだけど、こういうものがあることで入りやすくなるような、そんな寿司屋にしたいですね。スターバックスみたいなロゴが店先にあると強烈だなぁと思うんです。

小杉:そのまま大きくすると野暮ったくなると思うのですが、もし良ければ次回までに、太い筆文字をスタバ的なラインで描いて、ちょっとモダンに生まれ変わらせてみましょうか。

中野里:いやー、それは見てみたいですね。絶対見てみたい。いいんですか?

小杉:はい。がんばります。

中野里:ありがとうございます。良かった! 普通に仕事で頼んだら、すごくお支払いしなきゃ行けない所ですよね。

 今日話しながら気づいたのですが、結局ロゴマークの使い方1つとっても、多分僕自信がブランディングがブレているんですよ。いやー、それにしても今日は面白かったな。ありがとうございます。僕はすっかり仕事を依頼したつもりでいますので、よろしくお願いいたします。

小杉:そんなに期待されるとプレッシャーがかかりますが、頑張ります。

 こうして、2時間に及ぶ初回のミーティングが終わった。最初はなかなか中野里社長の課題を捉えきれなかった小杉氏だが、最後にはついに“2つのロゴ”という懸案事項にたどり着いた。次回、中野里社長が期待するようなロゴは、はたして実現可能なのか? そして、どのように新たな課題が社長の口から出てくるのか?

中野里 陽平(なかのり・ようへい)

1972年東京都生まれ。米国留学を経て、1999年に株式会社玉寿司に入社。創業90年を超える老舗寿司店「築地玉寿司」を受け継ぎ、2005年に33歳で4代目社長に就任。現在、全国に27店舗を展開している。

小杉 幸一(こすぎ・こういち)

SUZUKI「HUSTLER」、資生堂「50 selfies of Lady Gaga」、KIRIN「一番搾り 」、PARCO「パルコアラ」、ZUCCa、特別展「ガウディ×井上雄彦」アートディレクション、Gaba、東京国際映画祭2013年アートディレクション、本屋「B&B」などがある。東京ADC賞、JAGDA新人賞、NYADC賞、カンヌ国際広告祭<DESIGN部門>GOLD、ACC賞、ADFEST グランプリ、JRポスターグランプリ最優秀賞、ギャラクシー賞、インタラクティブデザインアワード、Spikes Asiaなど国内外数多く受賞。

出典:DIAMOND ハーバード・ビジネスビュー