SUSHI TIMES

スタイリッシュでリーズナブル。中目黒の鮨がやっぱり熱い!-SUSHI TIMES ORIGINALS-

鮨屋の激戦区とも言われる東京・中目黒。

鮨の聖地である銀座・六本木などから少し離れたこの場所が今注目される理由は「新進気鋭」の鮨職人が集まるその土地柄にあります。住宅街として発展してきた中目黒はその利便性から、レストランやアパレルショップが林立するようになり、グルメやファッションのトレンドの発信地となってきました。

いわゆる「老舗店」が少なく、銀座等に比べれば土地代も安価であることから若手の鮨職人が新規開業しやすい条件にあることから近年では鮨屋が続々と開業し、話題を集めています。

最高級のネタを扱う高級店から、地元の人に人気がある気軽に寿司が楽しめるリーズナブルな店まで、バラエティ豊な鮨店が集合しています。ここではその中から厳選して、ランチやディナーにおすすめの中目黒の寿司屋を紹介します。

鮨 尚充

ウニを知り尽くし、最高峰の食材で握る中目黒の一つ星

画像出典:東京カレンダー

数々の名店が軒を連ねる東京・中目黒エリアに、大人の隠れ家といった趣の鮨店がある。評判のウニを愛するファンだけではなく、多くの鮨好きを虜にする一つ星の『鮨 尚充(すし たかみつ)』だ。大将の安田 尚充(やすだ たかみつ)氏は、16歳から15年間、東京・自由が丘『鮨幸(すしこう)』で食材から接客まで全方位にわたり修業を重ね、その腕はもちろん、素材そのものの「おいしさ」を追求したトップクラスの食材仕入れができる職人として、2011年に独立。

安田氏は、豊洲市場に自ら足を運ぶことを基本としつつ、あくまでも食材のプロフェッショナルたちに高い信頼と尊敬をおいていて、好みを伝え相談したうえで最高峰の食材を仕入れている。それは、マグロ・白身・ウニなど、あらゆる魚種によって目利きやエキスパートのプロが異なり、そのプロが海の状況も熟知した上で毎日競り落としているということが、最高峰の食材を仕入れるための”究極”であると考えるからである。通年楽しめる良質のウニは、メインシーズンの6〜9月なら、九州全域・淡路島・京都・愛媛・北海道(利尻・焼尻・津軽海峡・余市)・青森など、様々な産地のムラサキウニ・バフンウニ・アカウニ・シラヒゲウニがカウンターに並ぶ。酢飯は、『鮨 尚充』の鮨を熟知した米屋の店主がセレクトした米に、主張し過ぎない存在感ある赤酢をブレンド。取り揃えているお酒は、ビール・日本酒・ウイスキーのほか、ワインはシャンパーニュなど常時20種を、幅広い価格帯で安田氏がセレクトしている。

居心地の良さを最優先に考え、内装のプロと創り上げた11席のカウンターは、カッシーナのイスを配しており、程良い距離感のある奥行き。スタッフの目配りや気配りは会話にも見受けられ、とにかく気分が良く通いたくなる心地良さを与えてくれるだろう。大切な人をもてなす接待やデートで、ぜひ足を運んでいただきたい。

■アクセス
東急東横線 中目黒駅 東京メトロ日比谷線 中目黒駅 徒歩7分

出典:Pocket concierge

鮨 つぼみ

鮨さいとうがプロデュースする握りは人柄が滲み出た優しく温かく柔らかい鮨

東京・中目黒駅から徒歩8分。大通りから少しはずれた静かな住宅街にたたずむ『鮨つぼみ』。六本木の名店『鮨さいとう』の齋藤 孝司(さいとう たかし)氏によるプロデュース店としても一目置かれ、店主を任された丸山 真琴(まるやま まこと)氏が腕をふるう。

丸山氏は、漁師町として知られる新潟・直江津生まれ。父親は魚問屋で、幼いころから魚と触れ合っていた。高校卒業後、東京の懐石料理店や鮨店で修業し、『鮨さいとう』へ。研鑽を積む中、マレーシア『たかby鮨さいとう』の副料理長に就き、帰国後の2018年、『鮨つぼみ』の店主に抜擢された。内装・食材・器もすべて『鮨さいとう』齋藤氏のプロデュース。食材は旬や産地にこだわって仕入れ、齋藤氏の握りを踏襲する。一方つまみは、アイデアを出し合い、『鮨つぼみ』独自の新しいものを生み出している。『鮨さいとう』の名に甘んじることなく謙虚な姿勢で、細部にまで手を抜かず、最善を尽くす丸山氏。お酒は『鮨つぼみ』の鮨と相性が良いものだけをそろえ、ワインはシャンパーニュ・白・赤、日本酒は、四季を感じてもらえるよう季節のものを約7種用意。ほか、お客様の好みに広く対応する。

店内には、木曽ヒノキのL字カウンター10席のみ。ゆったりと寛げるよう、席間隔は広めに設えている。器は、唐津焼や作家ものを中心に、料理に合わせたり、ある時は器からのイメージで料理に反映したりもするという。付け場で鮨と真摯に向きあう丸山氏の握りを、家族や友人、鮨通仲間との会食やデートで、じっくり楽しんでいただきたい。また、海外ゲストのおもてなしにもオススメだ。

■アクセス
東急東横線「中目黒駅」より徒歩8分
東京メトロ日比谷線「中目黒駅」より徒歩8分
田園都市線「池尻大橋駅」より徒歩13分

出典:Pocket Concierge

鮨 つきうだ

鮨の完成までに携わったすべての人への感謝が込められた至極の一貫

中目黒駅から徒歩10分の場所に店を構える『鮨つきうだ』は、閑静な住宅街の中に隠れ家のように佇んでいる。大将の月生田 光彦(つきうだ みつひこ)氏は、25年にわたる修業を経て、独立を果たした。日本文化の伝統を守りつつ現代文化を取り入れることで、新しい鮨への挑戦をする鮨職人である。

月生田氏の握りには、素材を育くんだ四季の移ろいや大海の恵みといった「環境」と、漁師や仲卸しといった一貫の鮨が完成するまでに携わった全ての人への「感謝の気持ち」が込められている。一貫に向き合う姿勢と愛情、鮨ダネの状態、熟成度、温度、見た目の美しさ、そして、口に運んでほぐれる瞬間の酢飯の温度、うま味、空間全体の居心地の良さといった、要素を一体化したいというこだわりと信念は、ゲストを笑顔にしたいという使命感から生まれる。鮨に合わせる酒は、大将が厳選した全国各地の日本酒、約10種類が揃う。

癒しの空間造りが徹底されている店内は、畳が敷かれているカウンターが8席と、掘りごたつになっている4名用の個室のみ。玄関の和紙、カウンターの檜や木製のまな板など、いたるところに日本産の素材が使用されており、木の香りと純和風の空間で、凛と鮨に向き合うことができる。デートや会食や、友人同士や女性一人で訪れても、むしろ居心地が良いのが『鮨つきうだ』の魅力の一つ。普段使いはもちろんのこと、頑張った自分へのご褒美など、熟練の技で握られた一貫で笑顔になっていただきたい。

■アクセス
東急東横線 中目黒 中央改札 徒歩10分

出典:Pocket Concierge

宇田津 鮨

中目黒の路地裏にたたずむ、アーティスティックな鮨店

画像出典:dressing

中目黒駅から徒歩約5分。路地裏にある隠れ家的な鮨店『宇田津 鮨(うだつ すし)』。“アートギャラリーの中にある鮨屋”をコンセプトに、国内外の有名アーティストによる絵画があちこちに飾られた空間の中で、銀座や西麻布の鮨店で研鑽を積んだ大将・宇田津 久(うだつ ひさし)氏が鮨を握る。

伝統的な握りを基本とし、酢飯は、赤酢1種類と米酢2種類を合わせたものと、赤酢1種類、米酢1種類を合わせたものの2種類を使い分け、米は東京・国立の契約農家から仕入れるキヌヒカリを使用。また、宇田津氏オリジナルの握りもあり、中でもオススメなのが「ベジロール」と「季節のハーブ巻き」だ。「ベジロール」は、数種類の季節野菜を刻んで巻き鮨にしたもので、つまみから握りに移る際、必ず一品目に提供しており、さっぱりと食べ始めることができる。「季節のハーブ巻き」は、広島・三原の「梶谷農園」を訪問した際に、ハーブに魅せられたことがきっかけで開発した一品。季節ごとに仕入れる青魚や白身魚とマイクロベジタブルを合わせ、海苔で巻いている。

つまみで好評なのが「マグロの燻製」。柵取りしたマグロの一部を金串に刺して藁で炙ったものを、蓋つきのガラスの器に盛り付けてトリュフ塩をふる。蓋をする際に煙を入れ、ゲストの前で蓋をあけるというエンターテイメント性のある演出も喜ばれている。ドリンクは、元『ティルプス』のオーナーソムリエでフードキュレーターとして活躍中の大橋直誉(おおはし なおたか)氏が監修。宇田津氏の鮨やつまみに合わせて選んでおり、日本酒は6〜10種類、ワインは白2種類と赤3種類、シャンパーニュはボトルで5〜10種類を揃えている。

客席は奈良の吉野檜を使用したカウンター9席と 4名用の個室が1室。モルタル仕上げのシックな空間の中で飾られる絵画は、季節ごとに変えているという。家族や友人、カップル、仕事仲間と一緒に、新しいスタイルの鮨を楽しんでいただきたい。

■アクセス
東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒」駅より、徒歩5分

出典:Pocket Concierge

鮨おにかい

ダブル大将による、アレンジを効かせた中目黒の粋な「くずし鮨」

東京・中目黒駅から徒歩5分。築100年の古民家をリノベーションした建物の2階にあるのが、その名も『鮨おにかい』。小さな表札のかかった入口から靴を脱いで上にあがると、そこには外観と異なるモダンな空間が広がる。2人の大将、坂本 和樹(さかもと かずき)氏と望月 将(もちづき しょう)氏が腕を振るう。

『鮨おにかい』は、目黒の名店『鮨つきうだ』の姉妹店。坂本氏は都内のホテルを経て、『鮨つきうだ』のオープン時から研鑽を積む。望月氏は、『銀座 久兵衛』で12年修業し、『鮨つきうだ』へ。『鮨つきうだ』で肩を並べた2人が2019年11月より、『鮨おにかい』開店とともに大将として、付け場に立つ。

『鮨おにかい』の握りは、伝統的な江戸前鮨の技術に、ひと手間加えた“くずし鮨”。たとえば赤身の漬けは、アイルランド産のマグロをサクごとに熱湯をかけ下処理をして、煮切りしょうゆに漬け込み、コノワタと一緒に提供する。3時間塩〆にしたブリは、仕上げに千枚漬けを合わせる。「煮あん肝の軍艦巻きは、あん肝を30分煮込んで奈良漬と一緒に巻く。そして、同じ建物の1Fにある系列店『天麩羅みやしろ』の天ぷらを使った一品など、アイデアとこだわりが詰まったくずし鮨が好評である。酢飯には福井産のコシヒカリと、赤酢を使用。

アルコールは、イタリアワイン・ベストソムリエコンクール(JETCUP)で優勝経験のあるソムリエの永瀬喜洋氏監修のワインを5種類と、ドライでミネラル系のあるスッキリとした飲み口のものなど、約15種類のワインを用意し、ペアリングを提案する。日本酒は、鮨に合う口あたりの良いものを5~6種類置いている。

オシャレで洗練された店内には、アンティーク調の椅子や、和モダンなランプで空間演出が統一されており、10席のL字カウンターのみ。器は全国各地の作家による一点ものである。坂本氏、望月氏両大将が握る『鮨おにかい』の鮨を、家族、友人同士やデートなどのプライベートなシーンで訪れ、工夫をこらした“くずし鮨”を楽しんでいただきたい。

■アクセス
東急東横線 中目黒駅 東京メトロ日比谷線 中目黒駅 東口 徒歩5分

 

文・編集:SUSHITIMES編集部