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今更聞けない!天然うなぎ・養殖うなぎの違いって?-Sushi Times Originals-

暑い時期に「せいのつく食べ物」の代表格といえば、うなぎです。日本でも古来から親しまれてきましたが、天然ものはほとんどお目にかかれなくなりました。天然うなぎと養殖うなぎはどう違うのでしょうか。

天然うなぎの流通量はわずか0.3%

魚屋さん、デパートやスーパーなどで販売されているうなぎはほぼ全てが養殖うなぎです。養殖うなぎは国内で生産されるものと、海外で生産されるものがあり、国産うなぎは前者を指します。一方、日本中の河川や湖にもうなぎは生息し、こちらは天然うなぎと呼ばれています。

しかし、日本全国の流通量でいえば天然ウナギの占める割合はわずか0.3%未満、本当に天然うなぎは貴重なのです。

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絶滅危惧種・禁漁

絶滅危惧種に指定されている日本うなぎの資源保護に向けて概ね10月~3月はその捕獲が禁止されていることはほとんどの人が知らないのではないでしょうか。 

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見た目・味の違い

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画像の上は養殖うなぎ、下が天然うなぎです。並べてみると違いが分かりやすいですね。国産の養殖うなぎが一般的に脂がよく乗っているのと比べると天然物は余分な脂が少なく、さっぱりとした味わいとされ、これは天然の本マグロと養殖の本マグロの関係にも似ています。

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天然鰻の旬はいつ?

「土用の丑の日」は7月で、うなぎの年間の消費の3割が7月に集中します。この辺りがうなぎの旬だと思う人も多いと思いますが、実は鰻が最も美味しいと言われるのは秋頃です。冬眠前にいっぱい飯を食べて脂が乗るから美味しいとも言われています。秋と冬に比べて春夏は比較的脂が少なく、さっぱりした味わいになります。

うなぎのランク

天然うなぎの味のランクとして[関東地方]まだ汚染の進んでいない昭和初期頃は〔沼、池より川が上物、同じ川でも急流の方が上物、本流より支流が上物〕とされ、その他に秋に捕れる「下り鰻」、河口の海の餌で育った「海鰻」「シャコうなぎ」は別格で上物とされました。

その他に、春のお彼岸から一ヶ月の間に印旛沼、霞ヶ浦で捕れる「出縄」と呼ばれる細い天然うなぎも珍重されました。 
それから、金沢八景、品川付近から利根川までの間で捕れるうなぎを広義の「江戸前」と呼びそれ以外を「旅の鰻」と呼んで「江戸前」を上物としてきました。 

現在では、なかなか上物と呼べる天然うなぎ自体が少なくなったのも事実ですが、天然うなぎの味を決める最大の要因が脂肪です。天然うなぎは脂肪が強くても、まったく脂っぽさは気になりませんので脂肪分が多いほど好まれています。

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銀うなぎ(下りうなぎ)とは

うなぎは成長の過程で、透明→白→茶色(黄色)→黒色へと変化していきます。「銀うなぎ」とは、成長の最終段階で、産卵のため秋に海へ向かって川を下る大きく成長したうなぎのこと。体色がいぶし銀色に光り、胸鰭が黒いなどの特徴があり、「下りうなぎ」とも呼ばれます。川を下る頃には長ければ100kmもの距離を泳ぎますが、その間一切食べなうのだとか。栄養を豊富に蓄えているのです。なお、天然うなぎを保護するため、「下りうなぎ」を捕まえた時は、その再放流に協力するよう、自治体などが要請しています。

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養殖うなぎの旬はいつ?

鰻は冬眠する性質がありますが、養殖されている鰻は、1年中冬眠しないように温度を上げた状態でどんどん餌を食べさせています。うなぎは夏の方が活発に動き餌もよく食べるので養殖の鰻はボイラーで炊き1年中水温をあげて育てるのです。1年を通じて味が違います。

オスメスの区別がない!?_

しらすうなぎの段階ではオスメス区別がない。

自然界では海にいる鰻は5対5

単年養殖と周年養殖

単年養殖

池入れしてその年の11月頃までに出荷

周年養殖

1年以上池に入れておく

シンコ

序盤に出荷される個体。身が柔らかい。

ヒネ

シンコに比べると身が硬いが、味わいは深い。

土曜丑の日に出荷するため

成長促進剤を入れて太らせる、病気になる、抗生物質を投薬する

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文・編集 SUSHITIMES 編集部