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アニサキス食中毒の予防は熱調理か48時間冷凍で

昨年あたりからよく聞くようになった寄生虫アニサキスによる食中毒。胃に入ってしまうと、のた打ち回るほどの激痛が走るというウワサ。何はなくとも絶対に予防したい。アニサキスを予防できる、殺菌の方法を紹介する。

アニサキスとは

アニサキスの成虫は、クジラやイルカなどの胃に寄生している。それらの排出物と共にアニサキスの卵も海に排出され、それを捕食する形でその他の魚に寄生する。ふだん私たちが食べる魚に寄生しているアニサキスは幼虫だ。

長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見える。渦巻状または動いていることが多い。主に魚介類の内蔵表面に寄生し、漁で釣りあげられるなど魚の鮮度が落ちると、内蔵から腹部の筋肉に移動する。

ヒラメ、サバ、イカ、さんま、アジ、ブリ、タイ、ニシン、サケなど、私たちがよく食べる魚介類にも寄生がみられる。

アニサキス食中毒の症状

アニサキスの幼虫は、人の体内では成虫になれないため通常は排泄される。また、ちょっとでも傷つくと死滅するので、食べても生きて胃に到達することは多くない。

が、まれに胃までいってしまうと、胃の壁を突き破ろうと噛んでくる。これが我慢できないほどの激痛の原因だ。吐き気、おう吐、じんましんなどの症状をともなうこともある。この症状は食べてから8時間以内におこるといわれている。

アニサキスを殺菌・予防する方法

ふだん食べている魚介類にふつうに存在するアニサキス。寄生され、食中毒にならないための方法を覚えておこう。

加熱する
アニサキス幼虫は熱に弱い。加熱した料理ならまず大丈夫だと思っていいだろう。70℃では瞬間的に、60℃では1分程度で死滅するといわれている。

冷凍する
低温にも弱いため、冷凍も効果的だ。-20℃以下で24時間以上冷凍すると死滅するといわれる。だが、家庭の冷凍庫は環境によっては-20℃以下に下がらない場合もあるため、注意が必要だ。家庭の冷凍庫なら48時間以上の冷凍を進めている場合もある。

生食をひかえる
アニキサスは多くの魚に寄生しているが、とくに寄生している可能性が高い魚は生食をひかえたほうが安心だ。サバ、サケ、タラ、ニシン、サンマ、ホッケ、アジなどがそれにあたる。とくに旬の時期などは刺身でも食べている魚も多いため、残念でもある。

薄く切る・細く切る
とは言え、日本人たるものお刺身は食べたい。腹部に寄生しやすい魚介類以外は、切り方に工夫をして美味しくいただこう。アニサキスの幼虫は傷がつくとすぐに死滅するため、薄く切ることである程度傷をつけることができる。イカそうめんも、なるべく細く刻もう。飾り切りも効果的だ。そして食べる時には、よく噛むことで、さらに予防できる。

二次汚染対策をする
内蔵にいたアニサキスが、おろす際に手や器具を介して刺身につく二次汚染の対策もしっかり行おう。

① 低温管理の徹底
アニサキスは6℃以下ではあまり動かなくなる。低温保管をすることで筋肉部に移動することを防ぐことができる。

② 内蔵はまな板に置かない
濡れているまな板の上に内蔵を置いてしまうと、短時間で移動し食べる部分に寄生する可能性がある。内蔵は手でえぐり直接ゴミ容器などへ捨てよう。

③ 器具はおろし用と刺身用に分けると、
器具を介して寄生するのを防ぐことができる。

④ 作業は迅速に
とくに濡れているまな板の上では、アニサキスは短時間で移動できるので、刺身に寄生できてしまう。なるべく手際よく作業しよう。

⑤ 何度も目視チェックをする
アニサキスは肉眼で見ることができる。調理の際は、断面や表面をよく観察しよう。

最後に

アニサキスは多くの魚介類に寄生しているため、生食の場合は完全に防ぐ方法はないかもしれない。がしかし、高温でも低温でも少しの傷でも死滅するとても弱い寄生虫だということもわかる。必要以上に怖がりすぎずに、できる限りの対策をして、これからも美味しく食べたい。魚介類を食べた8時間以内に激痛を感じたらアニサキスを疑い、すぐさま病院へ行こう。

出典:オリーブオイルをひとまわし